e関連の極限の式を避けて対数関数と指数関数を微分する

 授業のための覚書。高校の数学IIIの合成関数の微分の知識を用いる。数学IIIの知識が一通りあれば、論理で押し切れそう。

 対数関数は対数法則 f(xy)=f(x)+f(y) を満たす関数なので、合成関数の導関数の公式を使い、この両辺を y微分して xf'(xy)=f'(y) となる。これに y=1 を代入して xf'(x)=f'(1) となる。ゆえに \displaystyle f'(x)=\frac{f'(1)}{x} である。ここで f'(1)=1 となる特別な対数関数を「自然対数」と呼び、 \ln x と表記することにすると、自然対数の導関数\displaystyle (\ln x)'=\frac{1}{x} となる(ところで対数の底の値は?)。

 自然対数の逆関数となる指数関数*1y=f^{-1}(x))の導関数\ln y=x の両辺を x について微分することで y'=y と分かる。この指数関数を便宜的に f^{-1}(x)=e^x と表記することにすると、(e^x)'=e^x となる。

 対数法則に x=y=1 を代入して f(1)=0 となること、x\gt0 のとき x^{-1}\gt0 を使って、対数関数の x での値は定積分 \displaystyle \ln x=\int_1^x\frac{dt}{t} で定義される正の数である。この定義が破綻しないためには \ln x の定義域を x\gt0 にしないといけない。

 対数の底の具体的な値は \int_1^ex^{-1}dx=1 を満たす1より大きい数 e数値計算で求めればよい(よい精度で求められるアルゴリズムがあればよいのだが、ボクは知らない)。

 自然対数以外の底の対数関数はf(x)=f'(1)\int_1^xt^{-1}dt=f'(1)\ln xで与えらえる。ここでこの対数関数の底をaとするとf(a)=f'(1)\ln a=1となるので、f'(1)=1/\ln aとなる。これよりこの対数関数を\log_aと書くと、\log_ax=\ln x/\ln aとなる。これは底の変換の式になっている。これより(\log_ax)'=1/(x\ln a)となる。

*1:f(x)=X, f(y)=Y と置くと、対数法則の式を指数法則の式 f^{-1}(X)f^{-1}(Y)=f^{-1}(X+Y) に書き換えることができる。