どういう理路で説明するんだろう?
そもそも論としては「点音源近似が破綻する音源近傍の振る舞いを問うてしまった」というところなのだが(いま「固定端反射」は問題になっていないと予想している)、何を「正解」とし、何をその根拠として説明するかを知りたい。先の僕のエントリは「点音源近似が音源近傍で破綻することに目をつぶって、速度ポテンシャル(あるいは圧力)の分布を用いた位相差当てゲームを音源まで拡張できれば解ける」という主張であった。
もし京大の理路が「音源の近傍で「変位」の「腹」があることも考えられる」というものであったら、その根拠となる実験事実が示されない限り、納得しないだろう。というのも、音波を「保存系」「圧縮性で渦無しの流体」「音波は線形近似」で考え、ベルヌーイの定理の保存量の各項を評価すると*1、線形近似という前提条件からとなって、速度の振幅のピークを圧力のノイズの影響を受けずに(理屈の上ではの「節」ではあるが)計測するのは無理じゃないかと思うのだ。つまり理屈の上では変位の振幅はピークを持つかもしれないが、少なくとも「教室でもできそうな実験」の範囲でこの「変位の振幅最大に伴う音」を検出するのは無理ではないかと思うのだ。
会見の詳報を待ちたい。
*1:[2018.2.3]速度ポテンシャルの項の質量密度の見落としを修正。kamokaneyoshiさま、ご指摘ありがとうございます。