あらきけいすけのメモ帳

あらきけいすけの雑記帳2

自然対数の定義を指数関数の導関数の定義から誘導する

授業のための覚書。\newcommand{\SD}{\small\displaystyle}
指数関数の導関数を定義に従って計算すると:\SD(a^x)^\prime=\lim_{h\to0}\frac{a^{x+h}-a^x}{h}=a^x\lim_{h\to0}\frac{a^{h}-1}{h}.
ここで\SD f(a)=\lim_{h\to0}\frac{a^{h}-1}{h}とおくと、\SD f(a)+f(b)\SD=\lim_{h\to0}\frac{a^{h}-1}{h}+\lim_{h\to0}\frac{b^{h}-1}{h}\SD=\lim_{h\to0}\frac{a^{h}-1}{h}\lim_{h\to0}b^h+\lim_{h\to0}\frac{b^{h}-1}{h}\SD=\lim_{h\to0}\frac{(ab)^h-b^h+b^{h}-1}{h}\SD=\lim_{h\to0}\frac{(ab)^h-1}{h}\SD=f(ab)より、\SD fは対数法則を満たす。
この指数関数の導関数の計算から自然に誘導される対数関数を自然対数と呼ぶ:\SD\ln a:=\lim_{h\to0}\frac{a^{h}-1}{h}
おそらくEulerはここから自然対数の底eの定義に\SD\ln e=\lim_{h\to0}\frac{e^{h}-1}{h}=1を採用したのではないか。
…と定義/解説した教科書を寡聞にして見たことが無い。

補足:f(a)=\log_eaであることの証明を書いた:
極限を用いた自然対数の定義 - あらきけいすけのメモ帳